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杉本瓦店は修理修繕を専門とする会社です。

間違いだらけの屋根工事CONCEPT

コロニアル編

屋根の塗装について 
 化粧スレートを長持ちさせるためには塗装は推奨しません。
メーカーのカタログにも「再塗装をして頂かなくても、屋根材の基材の性能・防水性への影響はありません」と記されています。

 コロニアルは屋根材の構造上、屋根材の表面に珪砂が圧着しあり、は親水性により雨水との親和性が高い屋根材です。
 そのため、塗装と行うと屋根材の表面は撥水性に変わり、屋根材の重なり部に浸入した雨水が出にくくなってしまいます。
 年数の経過したコロニアルは屋根材の重なりに土埃が堆積しているため雨水との親和性が高く毛細管現象が起きやすい構造と言えます。
 塗装をしなければ屋根材表面の親和性によ雨水の排出がしやすい状態にありますが、塗装をするとこの性質が妨げられ、毛細管現象による雨水の浸入により屋根の構造(野地板や垂木など)を劣化させる原因となります。
 加えて、塗装時に屋根を歩き回ることでコロニアルを破損させてしまうことは避けられません。
 コロニアルは5oほどの厚みしかないため、屋根を歩き回ることで破損が拡大し、塗装後に日々が発見される例は少なくありません。

 屋根を綺麗にしたい場合、反対はしませんが、これらのリスクがあることはご承知おき下さい。

瓦編

漆喰
「漆喰が剥がれると雨漏りする」は誤りです。
 漆喰は構造部材ではなく、さらにコーキングや防水材ではありません。
 そのため漆喰が剥がれたことが直接的な原因として雨漏りが生じる事はありません。
 
 一方で、漆喰を塗ったからといって屋根の耐久性や棟の強度が向上することはありません。
 漆喰は経年劣化の拡大を防ぐための保護であるとお考えください。

 雨漏りは施行上の諸事情ならびに施工精度に伴う雨仕舞いの不備によるものと言えます。
 「漆喰を塗ったら雨漏りが止まった」とのお話をいただくこともありますが、それは一時的なもので、漆喰の劣化に伴い雨漏りが再発する可能性は否定出来ません。

瓦の隙間
 少しぐらい瓦がずれていたり、隙間があいていたりしても大きな問題はありません。
 昨今、訪問業者により消費者の不安を煽る言動が目立ってきていますが、瓦の隙間や軽微なズレは今起こったものではありません。
 大きなズレがある様でしたらメンテナンスが必要と言えますが、気になるようでしたら瓦屋根診断技士などの資格を持っている瓦屋さんにご相談ください。

金属編

塗装について
 ガルバリウム鋼板は塗装をしなくても50年以上錆びません。
 表皮の塗装は意匠(見た目)ですので綺麗にされたい方は塗装を行うことを反対はしませんが、数年で変色してくるので、意匠を維持するために塗装を繰り返すことになります。
 ガルバリウム鋼板はメーカーにより焼き付け塗装が施されています。
 年数の経過に伴う塗膜の退色は避けられませんが、塗膜の変色は屋根材としての機能とは関係ありませんので、そのままの状態でも問題はありません。

釘抜け
 釘抜けなどが発生している場合はメンテナンスが必要です。
 特に30年以上経過した板金屋根は棟部などの桟木(貫板)等が劣化している場合があり、強風で棟板金が飛散してしまう可能性もあるので修理修繕をお勧めいたします。

 一部の業者で「強風で釘が抜けた」などと主張している事がありますがそれは誤りです。
 1oほどの太さの釘が強風で抜けることはありません。
 釘抜けの原因は施工精度に伴う事例や釘自体(金属)の熱伸縮によるもので、止め付けている桟木の堅さにより抜けの度合いも異なります。